鼻水の研究結果(10月14日~11月2日)Vol.1
「臨床検体を用いた多種病原体解析(ウィルス・その他)」研究、通称「鼻水の研究」。
ご協力をいただきました方々、誠にありがとうございます。
10月14日~11月2日に当院で頂いた鼻汁50検体の結果は以下の通りです。
混合感染の場合は、お一人複数のウィルス感染としてカウントしております。
・RSウィルス 17名
・ヒトボカウィルス 13名
・ヒトメタニューモウィルス11名
・エンテロウィルスD68 8名
・パラインフルエンザウィルス(PI3) 1名
・季節型コロナウィルス(N63) 1名 (新型コロナウィルスではありません)
・ヒトヘルペスウィルス6型 1名(突発性発疹)
病原ウィルスが何も検出されなかった方は7名でした。
RSウィルスやヒトメタニューモウィルスについてはご存じの方も多いかもしれません。
パラインフルエンザウィルスや季節型コロナウィルスは通常の風邪ウィルスです。
ヒトボカウィルス、エンテロウィルスD68は非常にゼコゼコしやすい比較的最近確認されたウィルスです。
これらは全て風邪ウィルスですが、特に初感染の場合には非常にゼコゼコが強く、発熱や咳が長引くことが知られています。
クリニックではRSウィルス(保険適応1歳未満)やヒトメタウィルス(保険適応6歳未満)の抗原検査しかできませんが、今回の研究結果からRS、ヒトメタ以外の様々なウィルスの流行が確認されました。
このような詳細は結果は通常簡単に得られるものではなく、非常に貴重なデータとなります。ご協力をいただきました方々、本当にありがとうございました。
どのウィルスでも治療は対症療法であり、病原ウィルスがわかったからといって特に治療法は変わりません。
咳や鼻汁症状が落ち着いていればそのまま様子をみていただいて大丈夫です。
10月14日~11月2日に研究にご参加をいただいた方について、今後受診される際に直接ご報告させていただいておりますが、受診の予定がなく結果をご確認されたい方はお電話にてお問い合わせください。
今後もこのような形で適宜ご報告させていただく予定です。