Q:子どもへのコロナワクチンは接種したほうがよいか?
「5~11歳小児コロナワクチン」についてはこちらをご参照ください(2022年1月記載)。
以下の内容は、12歳以上のコロナワクチン開始時(2021年8月記載)の内容です。
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小児のコロナワクチンに対する「日本小児科学会」と「日本小児科医会」の見解です。
「新型コロナワクチン~子どもならびに子どもに接する成人への接種に対する考え方~」
1. 子どもに関わる業務従事者へのワクチン接種
子どもを感染から守るためには、周囲の成人が免疫を獲得することが重要。
2. 重篤な基礎疾患(神経疾患や免疫不全症など)のある子どもへの接種
基礎疾患がある子どもは感染による重症化が危惧される。病気の状況をよく知る主治医に相談を。
3. 健康な子どもへの接種
12歳以上の健康な子どもへのワクチン接種は意義があるが、子どもへのワクチンは、先行して行われる成人への接種状況を踏まえて慎重に検討。
・高齢者と比べて、若年者ほど接種部位の疼痛頻度は高く、発熱・倦怠感・頭痛などの全身反応の頻度も明らかに高い。
「12 歳以上の小児への新型コロナウイルスワクチン接種についての提言」
・保護者や本人への丁寧な対応が可能な個別接種を基本とするが、対策を十分に整備して集団接種を実施。
・小児コロナ感染の特徴や、ワクチン接種による小児期特有の反応などを念頭に接種を決めるべき。
・小児への感染の多くが保護者等からの家族内感染、園・学校の教職員等からの感染など周囲の大人からの感染であること。重症化しやすい高齢者、基礎疾患を持っている方に続いて、小児に感染を拡げやすい保育士・教職員に加えて保護者世代の若い年齢層が接種することが小児への感染機会の軽減につながる。
「小児への新型コロナウィルスワクチン接種について日本小児科医会からのメッセージ」
・小児のコロナ感染症は従来株だけでなく変異株においても、感染者の多くは無症状ないし軽症。
・我が国では小児における効果や安全性ついてのデータは得られておらず、諸外国においても接種後短期間での効果と安全性は評価されているものの、接種後何年か経過した状況での効果や安全性については全対象年齢においても評価がされていない。
・ワクチン接種後の痛みなどの局所的副反応、発熱・倦怠感などの全身的副反応は高齢者に比べ年齢の若い方により多く発現する。
・ワクチン成分や接種手技とは直接関連性が薄い、接種時の緊張などからくるこの年齢特有の接種直後に起こる反応(迷走神経反射)や、まれではあるが接種後しばらくたってから起こる子宮頸がんワクチン接種後の反応のような事例が生じる可能性がある
新型コロナ感染症やワクチンに関する大変わかりやすい情報サイト「COV-Navi こびナビ」もご参照ください。
以下、私の見解です。
私がイメージする小児へのコロナワクチンの安全性と効果について。
短期 | 長期 | |
安全性 |
・高齢者より副反応の頻度は高いだろう ・諸外国のデータでは大きな問題はなさそう ・日本のデータなし |
不明 世界で1年しか経験がない |
効果 |
インフルエンザワクチンより効果はありそう |
不明 毎年必要? |
・子どもの感染者の多くのほとんどが風邪症状程度の軽症といわれますが、重症化しないと言い切れるわけではなく、後遺症が残る可能性もあります。
・私自身は2回目の接種で強い腕の痛みと頭痛・全身倦怠感の副作用で一晩眠ることできませんでした。
・感染してしまい「ワクチンを打っておけばよかった」と後悔するか、ワクチンによる副反応で「ワクチンを打たなければよかった」と後悔するか。
・現時点で日本では小児が接種した事例はほとんどありません。私自身、高齢者の方への接種は数百回行ってきましたが、小児への接種は未経験です。
・長期的な安全性・効果が不明である小児へのコロナワクチンは、「接種すること」も「接種しないこと」もどちらも強くお勧めすることができません。
Q:「子どもへのコロナワクチンは接種したほうがよいか?」という質問に対する私の答え。
A:「わかりません」
小児科医としては無責任な回答かもしれません。
しかし接種する・接種しないの選択をし、良くも悪くもその結果を享受されるのはお子さん自身です。
A:「お子さんご自身と保護者の方が効果とリスクを十分に納得した上で、自己判断をしてください」
現時点で判断に迷われる場合は、、、
順々に接種が進んでいく中で情報が集積され、健康な子どもへの接種についてはどうすべきなのか、ある程度の方向性が見えてくるまで接種は待つべきであろうと思われます。
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「5~11歳小児コロナワクチン」についてはこちらをご参照ください(2022年1月記載)。